
ところで、政治学科というばあい、ほぼすべて法学部か政治経済学部(政経学部)に設置されている。ただ、政治経済学部のなかには政治と経済を分離せずに政治経済学科というように学部と同一名称にしている大学もある(聖学院大学、八千代国際大学、松阪大学)、また、日本大学は法学部に政治経済学科を設置している。ここで、90年代における政治学科の設立状況をみてみよう。
1990年 大東文化大学法学部 明治学院大学法学部
1992年 龍谷大学法学部
1996年 立教大学法学部
このように4つの私立大学において政治学科を新設している。このほか、学科増設の際に、国際政治学科を組織した例も広島修道大学法学部(1990年)および久留米大学法学部(1992年)にみられる。これは、政策系新学部ブームの以前に国際系新学部が陸続と設置されたという背景を反映しているかもしれない。また、法学部を新設する際に、当初より政治学系学科を設置している例として北陸大学法学部政治学科(1992年)、平成国際大学法掌部法政学科(1996年)がある。後者の学科では、さらに「政治行政コース」と「法律コース」の2コースが用意されている。
さて、このような法学部における政治学科の新設は、当然のことながら政治学関係の科目の大幅増設を意味している。さらに一般的傾向として行政学に関連する科目も複数設置されている。とくに顕著な例として龍谷大学をみてみよう。同大学の政治学科では、政治学科の固有科目(専門科目に相当する)が「入門科目部門」「政治学部門」「行政学部門」「国際政治部門」等に分類されている。まず、「入門科目部門」に着目すると、1年次において広く政治学の各分野についての知識を教授することが目的とされており、しかもすべて1年次配当である2単位の7科目のうち2科目が行政学関係の入門である(「現代日本の行政」「現代日本の地方自治」)。「行政学部門」に目を移すと、先の入門を踏まえて、2年次以上に「行政学」「行政管理論」「政治過程論」(以上、各4単位)「地方自治論」「公共政策論」「政策過程論」「都市政策論」「関西地域論」「地域開発論」(以上、各2単位)が設置されている。新設の政治学科としては相当の充実ぶりである。これには、学科新設にあたって、行政学専攻の専任教員を複数人数他大学より招いたという人
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